かもブログ

かもかも(@kam0_2)の雑記。掃き溜め。備忘録。

国旗絵文字と国別コード,そしてccTLDのお話(2)

1につづいて2としているが,あんまり話のつながりがない事に書きながら気づいている.

国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)とは

 国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)は「.jp」や「.kr」,「.cn」などの1国家に1つ割当られているトップレベルドメインである.トップレベルドメインとは雑に言えば,一番後ろのドメインのことで,上のようなものの他にも「.com」「.gov」「.net」「.org」などがある.さらに,これら4つなどは国ごとでなく,用途ごとに割り振られる「ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)」である.インターネットをしていてこれを見ないことはないだろう.

 そして,ccTLDは基本的に国別コードの二文字が割り振られる.(例外としては英国の国別コードは"GB"であるが,ccTLDは".uk"である.まあ,前者のままでは北アイルランド人が蜂起してしまうだろう.)

 で,今回の記事ではこのドメインの仕組やらシステムを語るわけではない.著者のネットワーク知識はITパスポート試験レベルで何もないのでこれ以上書くと墓穴を掘るからだ.

国家の象徴をを売る・買う・奪われる?

 国家を象徴するこのccTLD.国に属するものであるから,使用方法は国が自由に決められるのだ.日本など多くの国は自国のccTLDは"国民が運営するサイト"に使用用途を絞ることが多い.しかし,そもそも,インターネット普及率が低い(or 低かった)発展途上国の中には,自国のccTLDを他国に販売し,その使用料として,外貨を得る国もある.ccTLDは地域を表して入るが,その地域にサイトのサーバーを置く必要はない.".jp"のサイトをアメリカのサーバーに置くことは普通に行われている.

ドメイン売却で国連に加盟した国ツバル

 その中で最も有名なものは,太平洋に浮かぶ島国「ツバル」である.国土の海抜が低く,地球温暖化に因る海面上昇によって,水没が危惧される国として有名である.観光客も少なく,大陸から遠く離れ,経済の2/3を海外からの援助に頼り,水没の危機が迫るこの島国には,1つかなり幸運な特徴がある.ツバル(Tuvalu)の国別コードは「TV」なのである.すなわち,ツバルのccTLDは「.tv」である.

 このドメインをネットで見る機会は多い..tvはテレビを連想させるとして,テレビ局などから脚光を浴びたのである.(このようにトップレベルドメインに本来の意味ではない意味をもたせたり,単語の一部として採用したりすることをドメインハックと呼ぶ.)ツバルは2000年,アメリカの企業にドメイン管理権を売却.その利益で国連加盟を果たしている.また,使用料が毎年入ってくるため,ツバル経済は思わぬところから,すこしずつ成長してきているのだ.

 後述するが,世界の最貧地域でもある太平洋の島国では,ドメインを売買する島が多い.しかも,ドメインハックに使えそうなものも多いのである.

世界初の都市トップドメイン「ロサンゼルス:".la"」のカラクリ

 「都市ドメイン」というのが最近の流行りである.特に日本では「.tokyo」というドメインができたことが話題になった.そんな,都市ドメインの先駆けを作ったドメインがある."LA"ことロサンゼルスのドメイン「.la」である.

 しかし,「.tokyo」のような新しいドメインの導入が決まったのは2013年,最近のことでこれらは「新gTLD」とよばれる.「.tokyo」のような「地理的トップレベルドメイン」や「.yutube」のような「ブランドトップレベルドメイン」が新しく追加された.けれども,これらは2文字ドメインではない.

 「.la」は2013年以前から,ロサンゼルスドメインとして販売されていた.(実際はあまりロサンゼルスでは浸透せず,フリードメインとして世界で使われているようである.)どのようなカラクリであろうか?ここで国別コードを調べてみよう."LA"は「ラオス人民民主共和国」のccTLDなのである.ラオスといえば現在に残る共産主義国家の1つとして一部界隈では有名な,東南アジアにある発展途上国だ.ラオスはロサンゼルスのベンチャー企業に管理権を売却,国家後援のもと外貨を稼いでいたのである.

ドメインを売るリスクもある

 ccTLDは国家の象徴でもある.それの自由な管理権を他国の企業に預けることにはリスクも有る.一つ興味深い記事を紹介する.

gigazine.net

 管理権を一度売ってしまえば,様々な企業にたらい回しにされ,自国のドメインは知らぬ間に自由に流通する商品となってしまう.そうなれば,このIT社会においては国家の権威の失墜につながりかねないのだ.

ツバル真似て一攫千金→ポルノ大国へ

 そのいい例は,ツバルと同じく太平洋の島国「ニウエ(Niue)」だ.朝日新聞の記事があったのでこれも貼っておこう.

www.asahi.com

有料記事だし,簡単にまとめよう.1997年,一攫千金を夢みてアメリカの企業にccTLDの「.nu」を売ったところ,「.nu」はヌードを連想させるとして,アダルトサイトのドメインに多用されてしまったのだ.アダルトサイトのドメインの中では大きなシェアを占めるらしい.さらに,ニウエ側は利益を医療や教育に還元されることを望んだが,企業はそれを拒否.ネット環境の整備にだけ投資して還元したという.敬虔なキリシタンが多いニウエでは「アメリカ人に騙された」という声が多いとか.自国の象徴であるccTLDがアダルト産業の象徴になってしまったら国家の権威はガタ落ちであろう.

「.tk」という変わったドメイン

 ccTLDの話で忘れてはいけないのは,これまた太平洋のニュージランド領の自治地域「トケラウ諸島(TK)」である.「.tk」というドメインをインターネットを長くやっている人なら見たことがない人はいないだろう.このドメインは,ある特殊なマーケティング手法によって大きく広がり,貧しいトケラウのGDPの1/6を占めるまでに成長した.

 大きな特徴は「ドメイン登録料がタダ」であることだ.サーバー代に加えてドメイン料も払うのは大変だ.サイト開設者にはこれは有りがたいだろう.しかし,これでは儲からない.

 第二の仕組みは「訪問者数が一定数を下回ると広告が表示されるページにリダイレクトがかかる」というもので,一定の訪問者数を下回ったサイトはアクセスできなくなり,代わりに広告が表示されるページに飛ばされる.この広告収入が管理会社の利益となり,一部はトケラウに還元されているのだ,

 だが,無料に取得できるドメインとして,「.tk」は悪質なサイトの温床になっているという指摘もある.一歩間違えば”ニウエ化”してしまうとも言えるかもしれない.

ドメインの未来ーー「国際化トップレベルドメイン

 今まで紹介したトップレベルドメインはみな英文字でできていた.しかし,これを崩す新しい概念ができつつある.まだ普及はしていないが,それぞれの言語でトップレベルドメインを定義する「国際化トップレベルドメイン」である.

 例えば,「.日本」や「.中国」,「.рф(ロシア)」「.भारत」(ヒンディ)などがある.これらは国を表す「国際化ccTLD」であるが,「.みんな」「.グーグル」「 .삼성」(サムスン)といった,いままでにないドメインも登場している.

 英語至上主義のIT技術が多言語へ柔軟性を持っていくことは素晴らしいことだと思う.普及していくことを願いたい.

最後に・・・ドメインクイズ!

 では最後に,よく見るドメインハックのccTLDがどこのものか確認してみよう.反転すると答えが見れるのでクイズ感覚で楽しんでください.

「.in」・・・「インド

 これは簡単.今やIT大国ですが,自由に誰でも使えるそうです.よく見ますね.

「.ly」・・・「リビア

 副詞っぽいURLが作れる.Twitterでも使われるURL短縮サービスの「bit.ly」とか.

「.fm」・・・「ミクロネシア連邦

 Twitterでよく見る「ask.fm」はドメインハックのいい例だ.

 

「.as」・・・「アメリカ領サモア

 「As」を連想させる優秀なccTLD.どこかわかったらすごい.

「.io」・・・「イギリス領インド洋地域

 IT業界で好まれる(I/Oみたいだから).GitHubで使われてたりしますがどこでしょうか?かなり難しい.

「.be」・・・「ベルギー

 「yutu.be」というように,ラテン文字圏で短縮形としてよく使われてます.

 

最後の最後まで稚拙な文章をお読み頂きありがとうございました.